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2017年7月10日 (月)

貸した金,返ってこない(後編)

「貸したお金が返ってこない場合,まず内容証明郵便を出すんですよね?」


最近の相談者は,たいてい,ネットで微妙に間違った知識をつけている人が多いです。

内容証明郵便というのは,「どういう内容の手紙だったか」郵便局が証明してくる特殊な郵便です。手紙の控えを郵便局が保管します。これによって,「手紙は受け取ったが,貸金を催促する内容ではなかった」というのを防ぐことができます。

また,「へんな郵便がきた!!」という脅しの効果もあります。


したがって。
脅しても意味がない人には,内容証明は何の意味もありません。

実際,貸金業者等はめったに内容証明なんか送りません。
「既に返済した」とか,理由をつけて返さない人。
「お金がなくてそもそも返せない」ということで,脅してもお金が出てこない人。


彼らに内容証明を送る必要は全くありません。
では,どうするか。


この法治国家では,「相手が任意に動いてくれない」場合は,「訴える」
しかありません。ということで,裁判所に行って,訴訟(あるいは支払督促)をし,勝訴判決をゲットして強制執行して回収することになります。


ここからが皆さん,知らないところなのですが。

この,強制執行というのがかなり難しいのです。
何が難しいかというと,



「差し押さえ先を自分で特定しなければならない」
預金差し押さえなら銀行名と支店名。
売掛金なら相手先と売掛金を特定するに足りる内容(何月何日発注のどこの工事か,とか)。

・・・・・・そんなもの,知るかー!!!!(# ゚Д゚)


となります。
仮に預金口座の支店名まで知っていて差し押さえても,預金残高が5000円なら5000円しか回収できません。
結局,差し押さえできずに,貸した金を回収できないことになります。
(ちなみに弁護士であれば,ある程度差押先を調べる手段があります)


ということなので,やっぱり


「安易に金を貸すな」


という結論に。
逆に,金を貸してもいい場合は,


「手堅い勤務先や持ち家など,容易に差し押さえ可能な財産をもっているか,そういう財産をもっている保証人がいること」


という,身も蓋もない結論に落ち着きます。


複数人に貸し付ける業者であれば,


「高めの利息を設定して,10人に1人くらい回収できなくても
ペイするように経営する」



という戦略も可能ですが,素人にはとりようがありません。



ということで,お金を貸すときは,あげるつもりでやろうね!


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いわき:みぎは法律事務所 弁護士 戸川 瑛

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コメント

内容証明信者ってたくさんいますよね。

後は、わら人形で相手の不幸を願う

ヴァンさん>ファン,おおいですよね。

はるなさん>( ´∀` ) それ,心の中ではよくやります。

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