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2013年11月18日 (月)

盗難被害を東電に請求する

たまには真面目な話を。

福島やいわきの弁護士は,何件か,原発の損害賠償案件を抱えているのが通常です。

そのなかで,よくある質問。


「原発事故避難中に,盗難被害に遭いました。東電に請求できますか?」



うーん,かなり難しい質問です。
(-ε-)

というのも,一次的にはやはり窃盗犯人に請求するのが筋だからです。
理屈上は,原発事故と盗難に「相当因果関係」があれば,請求は可能ですが。
窃盗犯という第三者の意思や行為が介在している点で,なかなか困難な面があります。



ところがですね,最近,ADRでこういう和解事例がでてきました。
(文部科学省のページで公開されています)

①車を駐車のまま避難→避難中に何者かにつけられた車の傷の賠償認容!
和解契約書データ↓

「1331335_472.pdf」をダウンロード


②車を駐車のまま避難→避難中に盗難にあう。車の時価賠償認容!

和解契約書データ↓

「1331335_571.pdf」をダウンロード



2例とも,損害全額について,東電に賠償をさせる和解です。すごいなあ。


一般的な感覚からすると,


「東電のせいで避難して,避難しなければ盗難に遭わなかったのだから,東電が賠償すべきは当然だ!!」
(`ε´)

というのは分かるのですが。
東電からすれば,


「いやいや,窃盗犯人に責任追及してくださいよ」


というところでしょう。


法的には,「あれなくば,これなし」という因果関係のみではダメとされています。
「避難がなければ出さなかった支出」なんて,無限にでてきちゃいますよね。
じゃあ,どういう範囲で賠償がされるか。
モノの本をみてみると


「公平の観念を最後の基準として,各場合について判断するほかない」



( ´_ゝ`)フーン







いや,ね,その判断基準について,調べてるんですけど。
「公平の観念」とか言われても,困るんですけど。


まあ,法律なんて,そんなものです。
「ケースバイケース」「裁判官次第」
そんな中で,現場の弁護士は,何とかしなければならない。
そこで,判例や和解例を探ります。


賠償を求める側としては,非常に心強い和解例が出たものです。
がんばれ,ADRの仲介委員のヒトたち。


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いわき:みぎは法律事務所 弁護士 戸川 瑛

法律相談の予約をしたいので,弁護士戸川瑛のホームページへ行く

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